2011-02-06から1日間の記事一覧

山口昌男『文化と両義性』「岩波現代文庫版のためのまえがき」

「違和」とはもともと「からだの調和が破れること」という意味であり、転じて「他のものとしっくりしないこと。ちぐはぐ」(『広辞苑』)とされる。つまり、「違和」という語の原義は身体というミクロコスモスに関わるものであり、内部性の表現であったという…

山口昌男『文化と両義性』「岩波現代文庫版のためのまえがき」

「違和」と「異和」のちがいにもそのようないきさつがある。私が「違」と「異」とを使いわけたのは二つの間に微妙なニュアンスの「ちがい」があると思ったからである。「違」には同質のものの間の微妙なちがいがある。「内側」に属するもののちがいである。…