2011-02-12から1日間の記事一覧

中沢新一『チベットのモーツァルト』

つまり丸石は、なにかの意味の隠喩であったり、観念を模倣するものではなく、宇宙的なリズム、呼吸とでも呼ぶべきものの感覚的抽象化にほかならないのである(これに較べれば、男根を模倣した石などたかが知れたものではないか)。このため丸石は生命/非生…

中沢新一『チベットのモーツァルト』

石は、地上と地下との、日常的な人の世界と異界との、生きているものと生きていないものとの、もっと神話的なレヴェルでは、現世と冥界との、生者と死者との、現在と過去との、そして心のなかで意識と無意識との閾(しきい)=境を越え出ていく力をもってい…