中沢新一『チベットのモーツァルト』

石は、地上と地下との、日常的な人の世界と異界との、生きているものと生きていないものとの、もっと神話的なレヴェルでは、現世と冥界との、生者と死者との、現在と過去との、そして心のなかで意識と無意識との閾(しきい)=境を越え出ていく力をもっている。