2011-04-21から1日間の記事一覧

松浦理英子『優しい去勢のために』

当代の若者に限らず、もともと人は滅多に恋愛などしないものである。万葉集の昔から誰もが恋愛のイメージは抱いているけれども、生涯に一度恋愛ができれば幸運であって、たいていの人は〈準恋愛〉の相手を伴侶とし本格的な恋愛は経験しないまま一生を過ごす。

松浦理英子『優しい去勢のために』

最初の? いや、柔らかで無力で小さな存在が発しているとは思えぬほど激しいあの搔(か)き毟(むし)るような泣き声は、その後人が何十年生きてもどれだけの技を尽くしても越えられない最初にして最後の完璧な〈表現〉なのではないだろうか? 何をいかにして…

松浦理英子『優しい去勢のために』

生まれていちばん初めに何をした? 泣いた。