2011-04-25から1日間の記事一覧

山田太一『逃げていく街』

誰も家族に多くを期待してはいない、しかし家族的なるものを捨て去って動じないほど幸せではない。

山田太一『逃げていく街』

結局のところドラマというのは、要約を憎む人々のものなのではないだろうか、(などとドラマを要約すると、それから漏れるものをドラマから沢山感じてしまう人々のものなのではないか、だからこそ論文ではなくドラマを求めてしまうのではないか)などと思う…

山田太一『逃げていく街』

明治の人たち、たとえば『坊ちゃん』に出てくる赤シャツなどという人たちは一種の近代主義者であったわけですが、そういう人たちは自分の軽佻浮薄をよく知っていたと思うのです。ぼくは、軽佻浮薄にならなければ近代化できなかったやりきれなさが明治にはつ…

山田太一『逃げていく街』

しかし、無論、地道な生活者を嘲笑う視点は、なければならないはずである。彼らが無謬な訳がない。しかし、日本の社会から、なんとそういう視点が失われてしまったことだろう。それはつまり、まだまだ生き続けると思っている人ばかりのせいではないか? 寺山…

山田太一『逃げていく街』

若年「ここより他の場所」に多くを求め、気がつくと「ここ」にこそ全てがあったという認識の型があるが、どのくらい周囲の「つまらぬ現実」に目をそそぐことが出来るかは、その人間のその社会の成熟度を物語るものかもしれない。