2012-01-15から1日間の記事一覧

G・K・チェスタトン「折れた剣」(中村保男 訳)

「ともかく、こういう悪は、その性質上、つぎからつぎへと地獄の戸をあけてしだいしだいにせまい部屋に入って行くものなんだよ。犯罪がよからぬものであるという真の理由は、人間がしだいに奔放になるからでなく、ただただ卑しくなるばかりだからさ」

G・K・チェスタトン「折れた剣」(中村保男 訳)

「賢い人はどこに樹の葉を隠すか? 森のなかだろう。だが、森がなかった場合にはどうするかな?」 「さて、さて」とフランボウはいらだたしげにさけんだ――「どうするんでしょうかね?」 「葉を隠すために、森を生やすだろうよ」とあいまいな声で神父が言う――…

G・K・チェスタトン「折れた剣」(中村保男 訳)

「たったひとつの言葉を捜しているんだよ」とブラウン神父。「どこにも存在せぬことばをな」