G・K・チェスタトン「折れた剣」(中村保男 訳)

「賢い人はどこに樹の葉を隠すか? 森のなかだろう。だが、森がなかった場合にはどうするかな?」
「さて、さて」とフランボウはいらだたしげにさけんだ――「どうするんでしょうかね?」
「葉を隠すために、森を生やすだろうよ」とあいまいな声で神父が言う――「怖るべき罪悪だがな」