2012-02-28から1日間の記事一覧

寺山修司『不思議図書館』

「他人の死」は虚構だから、おもしろいに越したことはない、といいながら、いつのまにか虚実の境界(もともとそんなものはないのだが)を見失って、「他国の戦争」を心待ちにしはじめる。 だが、われわれが住んでいる場所もまた「他国」に過ぎないということ…

寺山修司『不思議図書館』

人間のエゴイズムをすべてうけ入れながら、いつも言いなりになり、ときどき自然に向って「帰ろうかな」と思っている犬のやさしさは、飼いならされた男たち、家路をいそくパパたちにもつながるさみしさを思わせるだろう。 生きるかぎり、人もまた見えない首輪…