2012-11-20から1日間の記事一覧

ゴーギャン『ノア・ノア タヒチ紀行』(前川堅市 訳)

タヒチでは、太陽の光線が、男女両性へ同じように光を投げかけるように、森や海の空気が、皆の肺臓を強健にし、肩や腰を大きくし、ひいては海浜の砂までも大きくするのである。女は、男と同じ仕事をやる。男は女に対して無頓着である。――だから、女には、男…

アドルノ『プリズメン』(木田元 訳)

文化批判は、文化と野蛮の弁証法の最終幕に直面している。アウシュヴィッツのあとでは詩を書くことは野蛮である。しかもこのことが、なぜ今日では詩を書くことが不可能になってしまったのかを教える認識をさえ蝕んでいるのだ。精神の進歩をもおのれの一要素…