2012-11-24から1日間の記事一覧

サイード『パレスチナとは何か』(島弘之 訳)

私たちは、完全に体系的なヴィジョンを有する輪郭のはっきりとした一団の追放者たちであるには、あまりにも急拵えで過去の経験も様々なばかりか、単に憐憫を誘う難民の群れであるためには、あまりにも多弁で悶着を引き起こしすぎもする。私よりも年長のある…

ショーペンハウアー「著作と文体」(斎藤忍随 訳)

人間の力で考えられることは、いついかなる時でも、明瞭平明な言葉、曖昧さをおよそ断ち切った言葉で表現される。難解不明、もつれて曖昧な文体で文章を組み立てる連中は、自分が何を主張しようとしているかをまったく知らないと言ってよく、せいぜいある思…