2012-12-24から1日間の記事一覧

明恵『明恵上人集』

秋田城介(あきたのじょうのすけ)入道覚知、遁世して梅〈ママ〉尾に栖(す)みける比(ころ)、自ら庭の薺(なずな)を摘みて味噌水(みそうず)と云ふ物を結構して上人にまゐらせたりしに、一口含み給ひて、暫し左右を顧みて、傍なる遣戸の縁(ふち)に積りたるほこり…

アイスキュロス『アガメムノーン』(久保正彰 訳)

ひとかどの人物とても、幸運の友を、妬み心なく立てることは、 なかなか人間生来の性(さが)がゆるさぬ、 悪しかれと願う邪毒が、心の臓に坐りこみ、 その病をえた男の重荷を、倍にも多くするもの。 おのれの痛みで、おのれ自身の心が晴れず、 他人の幸(さち)…