2012-12-29から1日間の記事一覧

桂川甫周『北槎聞略』

かねて教へられしごとく左の足を折敷(おりしき)、右の膝をたて、手をかさねてさし出せば、女帝右の御手を伸(のべ)、指さきを光太夫が掌(たなごころ)の上にそとのせらるゝを三度舐(ねぶ)るごとくす。これ外国の人初(はじめ)て国王に拝謁の礼なりとぞ。さても…

懐奘 編『正法眼蔵随聞記』

近代の禅僧、頌(じゅ)を作(つ)くり法語を書かんがために文筆等をこのむ、是れ便(すなわ)ち非なり。頌をつくらずとも心に思はんことを書出し、文筆とゝのはずとも法門をかくべきなり。是をわるしとて見ざらんほどの無道心の人は、よく文筆を調へていみじき秀…