2013-02-25から1日間の記事一覧

魯迅『吶喊・自序』

およそ人の主張は、賛成されれば前進を促すし、反対されれば奮闘を促すものだ。だが見知らぬ人々の中で叫んで、相手にまったく反応がなく、賛成でも反対でもない場合、はてしない荒野に身を置いたように、なすすべがなくなる。

李密

煢煢(けいけい)として孑立(げつりつ)し、形影(けいえい)相弔う。 孤独な生活を送り、ただ自分自身と己の影とが互いに慰めあっているだけである。晋の武帝が李密の名声を聞き、召したが、病床にある祖母の世話のため応じられず、「陳情表」を奉る。武帝はこの…

ドストエフスキー『悪霊』(江川卓 訳)

世の中には奇妙な友情がある。友だち二人、おたがい相手を取って食ってもあきたりぬといった仲で、生涯そんなふうに暮しながら、そのくせ別れることができない。いや、別れるどころの段ではなく、かりにそんな事態になりでもしたら、まずは、ひょんな気まぐ…

フローベール『感情教育』(生島遼一 訳)

誰もかも自分に関わりのあることだけを知りたがった。