2013-05-28から1日間の記事一覧

川端康成『虹いくたび』

むやみに人を可哀想がるのは、その人自身が可哀想な証拠かもしれないからね。

芥川龍之介『貝殻』

「わたしはずいぶん嫉妬深いと見えます。たとえば宿屋に泊った時、そこの番頭や女中たちがわたしに愛想よくおじぎをするでしょう。それからまたほかの客が来ると、やはり前と同じように愛想よくおじぎをしているでしょう。わたしはあれを見ていると何だか後…

勝小吉『夢酔独言』

世の中は恩を怨(うらみ)で返すが世間人(ひと)のならいだが、おまへは是から怨を恩で返して見ろ。

ゾラ『ナナ』(川口篤・古賀照一 訳)

――それに、あたし、あんな連中、屁とも思ってやしないわ……知り過ぎるほど知ってるからよ。裸になるところを見てみるがいいわ……尊敬もなにもあったもんじゃない! 下々(しもじも)も汚なけりゃ、上(かみ)に立つ者も汚ない。汚ないことじゃみんな同じよ……だから…