2014-11-22から1日間の記事一覧

司馬遼太郎『草原の記』

ウランバートルは、二千年の大民族の首都でありながら、かれらが栄えた十三世紀の世界帝国のころの遺物や遺跡や博物館もない。ソ連がそれをゆるさなかったということもあるだろうが、ひとつには物への執着が稀薄すぎるようなのである。 元のことが、脳裏にあ…

加藤周一『私にとっての二〇世紀』

経済学者が「反戦」ということをいわないという時に、「なぜいわないのですか」と訊ねると、私の専門は経済だから専門ではない。ヴェトナム戦争はもちろん経済現象ではあるが経済現象だけではない、もっと複雑な政治的、イデオロギー的、さまざまな文化的問…