2015-07-12から1日間の記事一覧

布施豊正『自殺と文化』

そして、日本語に「コミュニケーション」に相当する言葉がない、という事実は重要である。日本人は以心伝心という無言のコミュニケーションに依存しすぎるため、言葉によるコミュニケーションの発達は遅れてきた。「死をもってお詫びする」という自殺が日本…

布施豊正『自殺と文化』

戦時中はどの国でも自殺率は減少する。この現象は、フランスの自殺学者デュルケームの指摘したとおりで、第一次大戦、第二次大戦でもまったく同じ傾向がみられた。注目すべきは、局地的内戦、派閥争い、王位争奪戦などは自殺率に全然影響を与えないのだが、…

布施豊正『自殺と文化』

自殺学の重要な法則の一つは、食べることとか、話術を重要視する「口の文化」には自殺はあまりみられないという鉄則である。人間の生活に喜びをもたらすものは食物、会話、キスなど殆んど口を通してくるものである。

矢貫隆『「自殺」――生き残りの証言』

こうした言葉から推測できることは、自殺の手段は、たまたまその方法だったに過ぎないのではないかということなのである。死んでしまおうという気持ちになるたびに、彼らの頭には様々な方法が浮かんでいる。しかし、実際に自殺を図った時の手段は、考えた末…

矢貫隆『「自殺」――生き残りの証言』

「また自殺をしようとは思わないけど、助かってよかったとも思わない」