金井景子「自画像のレッスン――『女学世界』の投稿記事を中心に」(小森陽一 紅野謙介 高橋修 編『メディア・表象・イデオロギー――明治三十年代の文化研究』所収)

 共感をもって読まれたいと思うとき、あるいは書かれたものが状況に有効に機能することを願うとき、そこに映し出されるのは自身の欲望ではなくて、ありそうな「みんな」の欲望だということを、百年前の女性雑誌に掲載された「自画像」群は教えてくれるのではないだろうか。