竹宮惠子『竹宮惠子のマンガ教室』

 ――その「構成がうまい」って感じさせるのってどういうところなんですか? お話のうまさとは違うんですよね。
竹宮 お話ではないんです。とにかく短いものの中での手塚先生のうまさっていうのは、略し方。「略し方がうまい」ってことなんだと思います。伝える情報量の多さに対する略し方の度合いがすごい。幅が広いっていうか、パーセンテージが高いっていうか。マンガのうまさ、構成のうまさ、っていうのはそういうことだと私は思うんです。「伝えたいことの多さに比してどれぐらいのパーセンテージでそれを略せるか」。それこそ「漫画力」って言ってもいいようなもの。