川島雄三『花に嵐の映画もあるぞ』

 僕自身で最近少しわかりかけてきたような気がするんですが、いままでいろいろ模索していたものを喜劇のかたちでやってたんだけれども、そして冗談に「積極的逃避」なんていう言葉を使っておったんですが、それはどういうことかと自分で考えてみたら、つまり「偽善への挑戦」だったんだとわかりかけてきました。偽善というのは、自分の外にあるものばかりでなくして、自分の内部へ向ってももっときびしくなければならんと……。