津覇実明「日本国憲法のために 沖縄をテクストとして」(「現代思想1999年2月号 特集 部落民とは誰か」所収)

しかし、「日本国憲法」の文言を読む時、私たちは自分の声で読むことが可能であろうか。厳そかで、瞑目と沈黙と正しい姿勢を強制する「声」が響き出して来ないであろうか。その「声」は玉音放送から流れ出たあの「声」であり、かつて自身を「朕」と称していた主の「声」ではないか。