ゴンブローヴィッチ『フェルディドゥルケ』(米川和夫 訳)

すでに諸君らのなかでは、お互い同士のあいだに嫌悪が、軽蔑が、敵意が生まれ育っている。だれもが人を軽蔑している。いや、おまけに、自分をも軽蔑している。自己軽蔑でもって結ばれた仲間。こうして、とどのつまり、諸君は自分で自分を死ぬほど軽蔑軽視するまでに成り果てるのだ。