パヴェーゼ『丘の上の悪魔』(河島英昭 訳)

「決心すればするほど、落ちこんで、しまいに底に着くんだ。一切を失ったとき、ぼくら自身が見出される」
 ピエレットは笑った。「酔いどれは酔いどれさ」と、彼は言った。「麻薬か、酒かは、もはや選ぶところではない。昔、何千年も昔に、最初の杯をあげたとき、ひとはそれを選んでしまったんだ」
「無垢がある」とポーリが言った、「底から湧いてくる清らかなものがある……」