ニーチェ「遺された断想」

 有能な職人や学者が自分の技術に誇りを持ち、分を知り満ち足りて人生を見つめているとき、彼は立派に見える。これに対して、靴屋や学校教師が苦しげな表情で、自分は本当はもっとましなことをするよう生まれついているのだとほのめかすときほど、惨めに見えるものはない。取り柄よりましなものなどまったく存在しないのだ! そして取り柄とは、何らかの有能さを持ち、そこから創造活動をすることである。

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