ニーチェ『教育者としてのショーペンハウアー』

 真の思想家が何にもまして暇な時間を待ちこがれるのに対し、普通の学者は暇な時間から逃げる。そういう時間をどうしてよいかわからないからである。学者の慰め手は書物にほかならない。つまり学者は、誰かが別のことを考えているようすに耳を傾け、そのようにして長い一日を楽しませてもらうのである。