『世説新語』任誕篇

興に乗じて行き 興尽きて返る


東晋の王徽之(おうきし)(王羲之の息子で有名な奇人)の言葉。彼は大雪の降った日、急に友人の戴逵(たいき)に会いたくなって小舟に乗り、一晩かけて到着したが、いざ門前まで来るとそのまま帰ってしまう。「興に乗じて出かけ、興が尽きて帰って来たまでだ。何も戴(たい)に会う必要はないさ」というのだ。