筒井康隆『狂気の沙汰も金次第』

 時速二百キロで走っている新幹線が故障すると、次第にスピードがのろくなり、最後はレールの上で、じわーっと停ってしまう。
 飛行機が空を飛んでいる最中に故障した場合、次第にスピードがのろくなり、最後には空中でじわーっと停ってしまうことはない。この場合は落ちるのである。