2013-12-18 井上ひさし『四十一番の少年』 孫引き引用 孝が利雄の腕を枕にして、 「いんちき」 と口を尖らせたような口調になった。利雄はしつっこく続けた。 「きょうだい」 孝の返事はもうなかった。返事のかわりに、利雄の腕の上で孝の頭が重くなった。