マルキ・ド・サド『悪徳の栄え』(澁澤龍彦 訳)

申すまでもないことですが、閉居している女たちにとって、快楽への傾向は、彼女らを互いに親しく結びつける唯一の動機なのです。女たちを結びつけるのは美徳ではなくて、みだら事です。女は自分のために張り切るものを好み、自分を揺すぶってくれる者を愛します。