2013-05-30から1日間の記事一覧

澁澤龍彦『黄金時代』

カプセルのイメージを思い出していただきたい。あれが子宮でなくて何であろうか。マンモス団地のイメージを思い出していただきたい。あれが共同納骨堂でなくて何であろうか。

寺田寅彦『写生紀行』

興味があるからやるというよりは、やるから興味ができる場合がどうも多いようである。

立原道造『小さな墓石の上に』

たのしかった日曜日をさがしに行こう 見つかったら もう黙って生きていよう

マルキ・ド・サド『悪徳の栄え』(澁澤龍彦 訳)

「いいこと、ジュリエット、このことをよく覚えといてちょうだい、評判なんてものは、何の役にも立たない財産なのよ。あたしたちが評判のために、どんな犠牲を払っても、けっして償われはしないのよ。名声を得ようと躍起になっている者も、評判のことなど気…

マルキ・ド・サド『悪徳の栄え』(澁澤龍彦 訳)

「羞恥心なんて、根も葉もない感情です。それはただ風俗や教育の賜物であって、いわゆる習慣というものの一形態にすぎないのですからね。裸の男や女を創り出した自然が、同時に裸になることの嫌悪や羞恥を人間に与えようはずがないじゃありませんか。もし人…

マルキ・ド・サド『悪徳の栄え』(澁澤龍彦 訳)

申すまでもないことですが、閉居している女たちにとって、快楽への傾向は、彼女らを互いに親しく結びつける唯一の動機なのです。女たちを結びつけるのは美徳ではなくて、みだら事です。女は自分のために張り切るものを好み、自分を揺すぶってくれる者を愛し…