井原西鶴『世間胸算用』

とかく老いたる人のさしづをもるる事なかれ。何ほど利発才覚にしても、若き人には三五(さんご)の十八(じゅうはち)、ばらりと違(たが)ふ事数々なり。


*とにかく年寄りの指図にはそむくものではない。どれ程利発であっても若い者は三五の十八というように目算がすっかり狂うことがしばしばである。