2013-05-24から1日間の記事一覧

木下尚江『教育と生活問題』

先づ汝の胃を健全にせよ、汝の脳は自(おのずか)ら清朗ならん。

谷崎潤一郎『The Affair of Two Watches』

鼻は猥褻也。

井原西鶴『世間胸算用』

とかく老いたる人のさしづをもるる事なかれ。何ほど利発才覚にしても、若き人には三五(さんご)の十八(じゅうはち)、ばらりと違(たが)ふ事数々なり。 *とにかく年寄りの指図にはそむくものではない。どれ程利発であっても若い者は三五の十八というように目算…

アンドレ・ブルトン「溶ける魚」(巖谷國士 訳)

そこからほど遠からぬセーヌ河は、いわくいいがたいやりかたで女の上半身像(トルソ)を押しながしていた。それは頭も手足ももげた彫像で、しばらくまえからその出現を知らせていた数人の不良少年たちは、このトルソこそは完全無欠の肉体だ、いや新しい肉体だ…

アンドレ・ブルトン「溶ける魚」(巖谷國士 訳)

Aに行こうか、Bに引きかえそうか、Xで乗りかえようか? そうです、もちろんXで乗りかえよう。倦怠との連絡に遅れなければいいのだが! さあついた、倦怠だ、美しい平行線の数々だ、ああ! これらの平行線は、神の垂直線の下で、なんと美しいことだろう。

アンドレ・ブルトン「溶ける魚」(巖谷國士 訳)

これをいうために必要な時間がみじかければみじかいだけ、死ぬために必要な涙も少なくてすむ。

アンドレ・ブルトン「溶ける魚」(巖谷國士 訳)

いま彼女は私のはてしらぬ愛とむかいあい、大地の吐息にくもるこの鏡のまえで眠っている。眠っているときにこそ、彼女はほんとうに私のものになるのだ、私は彼女の夢のなかへ盗人のように忍びこみ、そして、まるで王冠を失うかのように、彼女をほんとうに失…

アンドレ・ブルトン「溶ける魚」(巖谷國士 訳)

公園はその時刻、魔法の泉の上にブロンドの両手をひろげていた。意味のない城がひとつ、地表をうろついていた。神のそば近く、その城のノートは、影法師と羽毛とアイリスをえがくデッサンのところでひらかれていた。〈若後家接吻荘〉というのが、自動車のス…