フランソワ・ラブレー『ガルガンチュワ物語』「ラブレー第一之書」(渡辺一夫 訳)

 さて、親愛なる諸君も、お楽しみになるがよいし、愉快に、この先の話を読まれ、体を寛がせ、腰の保養をされるがよろしい! いや、まだ言うことがあったな、そこな驢馬のふぐり野郎ども、――いっそ疳疽(よこね)に罹って跛足(びっこ)になるがよい!――私の盃のお返しに、飲むのをお忘れあるまいぞ。さすれば、時を移さず、私も諸君の健康を祝うて、必ず一杯つかまつる。