『列子』

天下理(り)に常の是(ぜ)無く、事に常の非無し。


 この世の中には、いつでも正しいという道理はなく、いつでも間違っているという事柄もない。時間と空間とを条件とするこの世では、同一のことも、その時、場所によって同一には作用しないから、真理と思われることも、誤りと思われることも、決定的なものはないのだということ。