『荘子』

迹を絶つは易く、地を行く無きは難し。


 はじめから足跡を絶って歩かないでいることはたやすいが、歩いてしかも大地をふまないでいることは難しい。俗世間をきらって人と交わらないことは難しくないが、俗世間に生きながら俗世間のあかにまみれず、しかも、自分を傷つけずにいるということは大変困難である。