エイゼンシュテイン「自伝のための回想録」(『エイゼンシュテイン全集』1、全集刊行委員会 訳)

わたしは書物をたいへん大事にしたので、ついには彼らのほうもお返しにわたしを愛するようになった。
書物は熟しきった果実のようにわたしの手のなかではじけ、あるいは、魔法の花のように花びらをひろげて行く。そして、創造力をあたえる思想をもたらし、言葉をあたえ、引用を供給し、物事を実証してくれる。