マクルーハン『人間拡張の原理 メディアの理解』(後藤和彦・高儀進 訳)

〝メッセージ〟が〝メッセンジャー〟より早くとどくようになったのは、電信の登場以来のことである。それ以前には、〝道路〟と〝書かれたことば〟とは、相互に密接に関係していた。電信の登場とともにインフォメーションは、石やパピルス(紙)などの固体から分離した。それはちょうど金銭が獣皮や金塊や金属から分離し、最後には紙になったのに似ている。