エドマンド・バーク『現代の不満の原因』(中野好之 訳)

実際我々が直面する状況、つまり巨大な収入、途方もない負債、強大な陸海軍、政府それ自身が一大銀行家にして一大商人であるというような現在の事態においては、もしも或る種の極悪な悪名高い行動や致命的な改革によってこれら民衆の代表が法律の柵を越え出て恣意的な権力を導入しようとする事態が生ずる場合には、これら代表が国家公共の利益に対する或る程度の配慮を保持することを可能にする唯一の方法は、民衆という団体そのものが介入する以外にないというのが私の信念である。

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