デカルト『哲学原理』(桂寿一 訳)

我々は幼年のとき、自分の理性を全面的に使用することなく、むしろまず感覚的な事物について、さまざまな判断をしていたので、多くの先入見によって真の認識から妨げられている。これらの先入見から解放されるには、そのうちにほんの僅かでも不確かさの疑いがあるような、すべてのことについて、生涯に一度は疑う決意をする以外にないように思われる。