2012-08-24 本居宣長『玉勝間』 孫引き引用 おのれ古典(いにしえぶみ)をとくに、師の説とたがへること多く、師の説のわろき事あるをば、わきまへいふこともおほかるを、いとあるまじきことゝ思ふ人おほかめれど、これすなはちわが師の心にて、つねにをしへられしは、後によき考への出来たらんには、かならずしも師の説にたがふとて、なはゞかりそとなむ、教へられし。こはいとたふときをしへにて、わが師の、よにすぐれ給へる一つ也。 ※師 賀茂真淵のこと。 ※なはゞかりそ 遠慮してはならない。