ウラジーミル・セドーフ「タルコフスキーとシェイクスピアの『ハムレット』」(井上徹 訳)(アネッタ・ミハイロヴナ・サンドレル 編、沼野充義 監修『タルコフスキーの世界』所収)

タルコフスキー 「私は俳優だったことは全然ないが、どんな場合でも第四の壁を壊して、具体的に客席の誰かに向かって何か言ったりしてはいけないと思う。そんなことをすれば、何かが駄目になる。それが何かはわからないが、何かが駄目になることは絶対はっきりしている。何も説明してはいけない。何でも詳しく説明し、はっきりさせようとするのは、ある意味で芸術における貧困なのだ。果たして、そんなことのために芸術は存在しているのだろうか?」