E・F・ロフタス+K・ケッチャム『抑圧された記憶の神話――偽りの性的虐待の記憶をめぐって』(仲真紀子 訳)

「抑圧」……。この言葉は秘密めいた闇、埋もれた宝だ。片隅でこの世のものならぬ衣ずれの音がする、蜘蛛の巣と埃の部屋……。記憶の心理学において、抑圧ほどおどろおどろしく、ロマンチックな概念はないだろう。