2011-06-23から1日間の記事一覧

E・F・ロフタス+K・ケッチャム『抑圧された記憶の神話――偽りの性的虐待の記憶をめぐって』(仲真紀子 訳)

人は誰でも人生による「傷」を負うている。したがって重要な問いは、これらの傷について何をすればよいのか、ということだろう。記憶が虚構の一種であることを認識したなら、カウンセラーはクライエントにこう言うこともできる。あなたの体験が記憶によって…

E・F・ロフタス+K・ケッチャム『抑圧された記憶の神話――偽りの性的虐待の記憶をめぐって』(仲真紀子 訳)

認知心理学者は、イメージに熱中しすぎると現実と想像の区別が難しくなることを知っている。また法心理学者は、誘導されたイメージは催眠で生じるのと似た解離的な症状を促進する――つまりイメージは催眠同様、記憶を回復する方法としては信頼できない――こと…

E・F・ロフタス+K・ケッチャム『抑圧された記憶の神話――偽りの性的虐待の記憶をめぐって』(仲真紀子 訳)

「スクリーン・メモリーは自分が重要で特別だという感覚、それに冒険心さえ与えてくれるのです」(中略)「クライエントは子どもの頃、愛されず、かまってもらえなかったと感じているかもしれません。また自分はごく普通の人間で、面白いことも変わったこと…

E・F・ロフタス+K・ケッチャム『抑圧された記憶の神話――偽りの性的虐待の記憶をめぐって』(仲真紀子 訳)

「抑圧」……。この言葉は秘密めいた闇、埋もれた宝だ。片隅でこの世のものならぬ衣ずれの音がする、蜘蛛の巣と埃の部屋……。記憶の心理学において、抑圧ほどおどろおどろしく、ロマンチックな概念はないだろう。