ラクロ『危険な関係』(伊吹武彦 訳)

彼は世辞でたらし、愚弄によって人を恐れさせるのです。人は彼を尊敬するのでなく、彼にへつらうのです。勇敢というよりはむしろ用心深いために、彼にたてつくよりは触らぬ神にたたりなしと考えているような社会の中で、彼はまずざっとそういう生活を送っているのです。