蓮實重彦+武満徹『シネマの快楽』

蓮實 ぼくの考えだと、視線の演出をしていると、どうしても扉から入ってくるというところがキイになっちゃうと思うんですよ。ふっと振り返るとか、知らない間にそこに入ってくるとか。ところが、今みたいに、テレビ中心的で、視線の演出をしないと、扉の魅力とか、窓の魅力とか、全然なくなっちゃいますね。