アンソニー・ストー『孤独――自己への回帰』(森省二、吉野要 監訳)

創造的な生活のなかには、決まって遊びの要素があるように思える。この遊びの要素が消えるとき、それとともに喜びも、新しいものを生み出しうるという実感も去っていく。創造的な人々は新しいものを創造する能力を失ってしまったように感じる絶望の時期をまれならず経験する。これはしばしば、特定の創作作品に最高の賛辞が与えられるために起こるのである。ギボンが「作家の空虚感」として述べたことは、作家に、ときどき自分の作品に対して、それでもって「遊びつづけること」がもはやできないという深い絶望感を抱かせることである。