木下直之「出来事をうつす写真」(『日本の写真家 2 田本研造と明治の写真家たち』所収)

そもそも名所旧跡とは、高貴なる人物、あるいは著名なる人物がその地を踏んだ、そこで歌を詠んだという理由で出来上がっている場合が多く、それを伝えるものが名所絵であった。写真という新技術もまた、こうした伝統的な風景観を踏襲したにすぎない。