道元『普勧坐禅儀』

然れども毫釐(ごうり)も差(しゃ)あれば、天地懸(はるか)に隔たり、違順(いじゅん)纔(わずか)に起これば、紛然として心(しん)を失す。
〈解釈〉しかしその間にごくわずかでも隙間があれば、それはやがて天と地の巨大な隔たりになってしまうし、またその理解にはほんの少しでも狂いが生ずると、縺(もつ)れた糸のようになって中心がどこかわからなくなってしまう。