ディケンズ『大いなる遺産』(山西英一 訳)

それゆえわたしは、いったいどうして昔彼を無能な人間だなんて考えたのだろうと、なんどもふしぎに思った。が、ある日、たぶんその無能さは彼のうちにあったのではなく、わたしのうちにあったのだと反省してみて、いっさいが氷解した。