杜甫「古柏行(こはくかう)」(抄) (目加田誠)

志士幽人 怨嗟する莫れ
古來 材大なれば用を爲し難し


ししいうじん ゑんさするなかれ
こらい ざいだいなればようをなしがたし


志士幽人莫怨嗟
古來材大難爲用


遂にこの世に時を得ぬ志士、幽人たちよ、徒(いたず)らになげき怨むことはない。古来、材の大なるものは、とかく世に用いられ難いこと、この老柏の運命と同じではなかろうか。