杜甫「狂夫(きゃうふ)」(抄) (目加田誠)
溝壑に塡せむとして惟疎放なり
自ら笑ふ 狂夫 老いて更に狂なるを
こうがくにてんせむとしてただそはうなり
みづからわらふ きゃうふ おいてさらにきゃうなるを
欲塡溝壑惟疎放
自笑狂夫老更狂
こうしてみすみす野たれ死にが待っているというのに、相変わらず私は、世間にうとく、きままな行いをしているが、もともとの狂おしい自分が、老いてますますきちがいじみて来ていることを、われながらおかしく思うのである。
溝壑に塡せむとして惟疎放なり
自ら笑ふ 狂夫 老いて更に狂なるを
こうがくにてんせむとしてただそはうなり
みづからわらふ きゃうふ おいてさらにきゃうなるを
欲塡溝壑惟疎放
自笑狂夫老更狂
こうしてみすみす野たれ死にが待っているというのに、相変わらず私は、世間にうとく、きままな行いをしているが、もともとの狂おしい自分が、老いてますますきちがいじみて来ていることを、われながらおかしく思うのである。